再建設ツアーについて

7月23日より初日を迎える再建設ツアーの演目『ここは出口ではない』について、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を鑑み、宮川紗絵の出演形態をリモートでの出演に変更することにいたしました。『とおくはちかい(reprise)』に関しては予定通り実施いたします。

楽しみにされていた方に心よりお詫びを申し上げます。
この上演形態の変更に伴うチケットの払い戻しは行いません。


今回の座組は首都圏で暮らしているメンバーと、宮城で暮らしているメンバーで構成されています。当初、感染のリスクを少しでも減らすため、7月初旬までZOOMを用いてオンラインで稽古をした後、東京に全員が集まり、23日からのこまばアゴラ劇場での東京公演に向け対面でクリエーションを行う予定でした。しかし、6月末から7月上旬にかけ感染者数が連日、とりわけ都内で増えたことを受け、メンバーより東京に長期間で滞在することにより感染するリスク、また無症状で感染したまま公演後に周囲の人へ感染を広げてしまうリスクを不安視する意見が複数出ました。そのことを踏まえ話し合いを重ね、上述のような形態で実施することといたしました。

個人がこの感染症に対して抱える不安の要因はひとつではありません。「未知の病にかかるかもしれない」という恐怖だけではなく、その人が生活を共にする人々(パートナーや家族、友人)との関係や、暮らす場所・環境、経済的な状況など様々なことが重なり合っています。劇団の稽古場というのも、その重なり合ういくつもの生活の輪の一つにすぎません。個々の事情と向き合い、ケースバイケースで折り合いをつけていく必要があります。


こうした状況にありながらも、劇団として公演を実施する理由はこのツアーのステートメントに書いてあるとおりです。

“劇場がお客様をこれまで通りの形態で迎え入れることができるようになるまでに、そう短くはない時間がかかるでしょう。新型コロナウイルスに対するワクチンが開発されて、インフルエンザのような距離感で存在するようになるまで。そのなかで、私たちは公演を中止するのではなく、むしろ様々な方策を試みながら劇場を開けていくことが必要なのではないかと判断しました。”

感染を完全に防ぐ手段も、罹らない方法も、現時点ではありません。それでも日常が再開されている。外食をしたり、人とあって話したりすることも増えてきている。映画館に映画を見に行くこと、美術館に訪れること、スポーツ観戦に興じること。そして、ライブハウスやコンサートホールで音楽を聞くこと、劇場に訪れて演劇やダンスを観ること。どれも誰かにとっての日々の営みであることは、これからもそう変わらない。変わらないのであれば、変わってしまった日常のなかでどうやってそれらを続けていけるのかを、やっぱり考えなくてはと思います。


劇団としてご来場いただく皆様へ、下記のような対策を取り、感染拡大の防止に努めます。ご覧いただければ幸いです。

https://yaneuraheights.net/next/covid19.html

加えて稽古期間中にスタッフ・出演者の間でおこなう感染症対策も、緊急事態舞台芸術ネットワークが定めるガイドラインに基づいた劇団独自のガイドラインを設定し、それに則って実施いたします。

また7月8日現在、座組内には体調不良者および、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者は確認されていません。


日々予断を許さない状況です。場合によっては、内容のさらなる変更や公演の中止となる可能性もございます。ご容赦いただければ幸いです。

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