二十世紀少年じゃなくて
・大変ご無沙汰してしまった。毎日更新すると言っていたくせに。自宅にネット環境が無いのが一つ大きいというのはあるのだけど。気が付けば本番まで2週間。小屋入りまでに稽古はあと数えるほどしかない。
・台本は無事に脱稿し、多少修正はこれからも加わるかもしれないけれども、後は答えを稽古場で出すしかない。明確でシンプルなこと。
・はじめて一緒にやる役者がほとんどで、人数も多いというのもあって(その割に一度にたくさんの人が舞台にいることはないということもあって)稽古のやりくりの大変さとかを久しぶりに味わっている。ああ、こういうんだったっけ。一回の稽古が終ると頭がキリキリとしてしまう。
・かかわっている俳優やスタッフが別作品の本番だったり、あるいは地下鉄東西線のイベントに屋根裏ハイツで参加したりってことがあって、ここ三日ほどは稽古が無かった。 それで、今日が久しぶりの稽古。この連休は僕も東北大やシアターラボの芝居を見たり、大学に入って以来の友人と話したりする時間も会った。
・今日いつも以上にとりとめもなく書くので、ご容赦ください。そうしないでこの作品のことを書くのが難しいというのもある。
・このブログでは作品のことをしっかり話したことがそういえばなかったから、まずそのことを話すことを試みようと思う。 あらすじにあること以上のことを話す。多分これを読んだって舞台を実際に見てもらうことには支障にはならないと思うけど、気になる人は読まないでください。
あとまあこれを見て引っかかってくれる人がいればいいな、とも思う。
「二十一世紀旗手」というタイトル、よく浦沢直樹と関係あるのかって言われるけれど、「二十世紀少年」じゃなくてタイトルの元ネタは太宰治の「二十世紀旗手」だ。 簡単にいえば「二十世紀旗手」はお金と才能の話で、才能を否定された、昔好きだった女性のところに金を借りにいき、けれどもやっぱり金を返すという、瑣末を、「小説を書いている私」が「書いている」という体で紡がれる話で(太宰には他の作品にも「全然小説が書けないよ・・・」ということを「書いている」小説があるような気がする)、まあそんな自分を「二十世紀旗手」とでもいっちょ呼んでやろう、という風に太宰は考えたんじゃないかと僕は勝手に思っている。
副題には有名な「生まれて、すみません」という文句が書かれている。 同じタイトルで短編集が出されていて、それは「晩年」に続く太宰2作目の作品集となる。 この短編集はかなり支離滅裂なものが多く、「女生徒」や「走れメロス」を書いたのと同じ人間が描いたとは到底思えない。
話はそれたが、事実上の徴兵制から逃げるために自分たちのための王国を作る若者たち(の行為)のことを、それじゃあいっちょ「二十一世紀の旗手」と呼んでみようという気持ちから、こんなタイトルが付いた。
・もうひとつ、Gus Van Santに「Elephant」という作品がある。 コロンバイン高校銃乱射事件という実際の事件をモチーフに、その事件が起こる日の朝の日のことを、数多くの高校生の視点から描いた作品で、なんか確かいくつか賞も取っている作品だと思う。その手法はAlan Clarkeが作った同名のBBCのドキュメンタリ番組から拝借してて、最近だと「桐島、部活やめるってよ」がなんかそれのオマージュっぽい手法をとっている。
桐島以外はYoutubeから見られます。
あらすじからだけだとわからないけれど、このElephantに少なからず感化されて、今度の新作「二十一世紀旗手」は作られる。
王国の「とある一日」のことを、もっといえば、王国へ新しい移住者が来るその日のことを、映像や音や光や、もちろん身体と言葉を使って、2つの視点から描こうという、そういう試みをしている作品である。
・事実上の徴兵制から逃れるために自ら『王国』をつくる、ということで抵抗しようとする若者たちの未来の話、というアイディアは2012年くらいからあったもので、当時の僕は、このアイディアはありなんじゃないかと思っていた。具体的にそれが生き残るための方法だとも思っていた。
当時、ということは今はそうでもないということだ。
・この作品の創作期間中には世の中でいろんなことがあった。今も起きていて、それは、そんなことはご存じの通りだと思うんですけど、そのすべてを通過した作品にはなっているし、なってしまったし、ならざるをえないのだろうと思う。
そういう方向に向かってしまうことを僕はとめようとも、やめようとも思わない。
・ そういったことを経過して、この作品は、責任と、(自由な)選択についての作品になっている。 磨き上げる方向はもうある。あとはひたすら、稽古場で起こる諸現象に目を凝らし、耳をすませていくしかない。
・ 28日は公開リハーサルが大和コミュニティセンターというところである。 市民センターの会議室なのでいろいろ条件が違うけれど、まずはそこで作品に立ち会ってもらえればと思う。
本番は12月10日~13日まで。各日2回ずつ。10日と12日のソアレにはアフタートーク。 たくさんの人に立ち会ってほしいと心から思っています。ご予約お待ちしています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=53396
中村大地
・台本は無事に脱稿し、多少修正はこれからも加わるかもしれないけれども、後は答えを稽古場で出すしかない。明確でシンプルなこと。
・はじめて一緒にやる役者がほとんどで、人数も多いというのもあって(その割に一度にたくさんの人が舞台にいることはないということもあって)稽古のやりくりの大変さとかを久しぶりに味わっている。ああ、こういうんだったっけ。一回の稽古が終ると頭がキリキリとしてしまう。
・かかわっている俳優やスタッフが別作品の本番だったり、あるいは地下鉄東西線のイベントに屋根裏ハイツで参加したりってことがあって、ここ三日ほどは稽古が無かった。 それで、今日が久しぶりの稽古。この連休は僕も東北大やシアターラボの芝居を見たり、大学に入って以来の友人と話したりする時間も会った。
・今日いつも以上にとりとめもなく書くので、ご容赦ください。そうしないでこの作品のことを書くのが難しいというのもある。
・このブログでは作品のことをしっかり話したことがそういえばなかったから、まずそのことを話すことを試みようと思う。 あらすじにあること以上のことを話す。多分これを読んだって舞台を実際に見てもらうことには支障にはならないと思うけど、気になる人は読まないでください。
あとまあこれを見て引っかかってくれる人がいればいいな、とも思う。
「二十一世紀旗手」というタイトル、よく浦沢直樹と関係あるのかって言われるけれど、「二十世紀少年」じゃなくてタイトルの元ネタは太宰治の「二十世紀旗手」だ。 簡単にいえば「二十世紀旗手」はお金と才能の話で、才能を否定された、昔好きだった女性のところに金を借りにいき、けれどもやっぱり金を返すという、瑣末を、「小説を書いている私」が「書いている」という体で紡がれる話で(太宰には他の作品にも「全然小説が書けないよ・・・」ということを「書いている」小説があるような気がする)、まあそんな自分を「二十世紀旗手」とでもいっちょ呼んでやろう、という風に太宰は考えたんじゃないかと僕は勝手に思っている。
副題には有名な「生まれて、すみません」という文句が書かれている。 同じタイトルで短編集が出されていて、それは「晩年」に続く太宰2作目の作品集となる。 この短編集はかなり支離滅裂なものが多く、「女生徒」や「走れメロス」を書いたのと同じ人間が描いたとは到底思えない。
話はそれたが、事実上の徴兵制から逃げるために自分たちのための王国を作る若者たち(の行為)のことを、それじゃあいっちょ「二十一世紀の旗手」と呼んでみようという気持ちから、こんなタイトルが付いた。
・もうひとつ、Gus Van Santに「Elephant」という作品がある。 コロンバイン高校銃乱射事件という実際の事件をモチーフに、その事件が起こる日の朝の日のことを、数多くの高校生の視点から描いた作品で、なんか確かいくつか賞も取っている作品だと思う。その手法はAlan Clarkeが作った同名のBBCのドキュメンタリ番組から拝借してて、最近だと「桐島、部活やめるってよ」がなんかそれのオマージュっぽい手法をとっている。
桐島以外はYoutubeから見られます。
あらすじからだけだとわからないけれど、このElephantに少なからず感化されて、今度の新作「二十一世紀旗手」は作られる。
王国の「とある一日」のことを、もっといえば、王国へ新しい移住者が来るその日のことを、映像や音や光や、もちろん身体と言葉を使って、2つの視点から描こうという、そういう試みをしている作品である。
・事実上の徴兵制から逃れるために自ら『王国』をつくる、ということで抵抗しようとする若者たちの未来の話、というアイディアは2012年くらいからあったもので、当時の僕は、このアイディアはありなんじゃないかと思っていた。具体的にそれが生き残るための方法だとも思っていた。
当時、ということは今はそうでもないということだ。
・この作品の創作期間中には世の中でいろんなことがあった。今も起きていて、それは、そんなことはご存じの通りだと思うんですけど、そのすべてを通過した作品にはなっているし、なってしまったし、ならざるをえないのだろうと思う。
そういう方向に向かってしまうことを僕はとめようとも、やめようとも思わない。
・ そういったことを経過して、この作品は、責任と、(自由な)選択についての作品になっている。 磨き上げる方向はもうある。あとはひたすら、稽古場で起こる諸現象に目を凝らし、耳をすませていくしかない。
・ 28日は公開リハーサルが大和コミュニティセンターというところである。 市民センターの会議室なのでいろいろ条件が違うけれど、まずはそこで作品に立ち会ってもらえればと思う。
本番は12月10日~13日まで。各日2回ずつ。10日と12日のソアレにはアフタートーク。 たくさんの人に立ち会ってほしいと心から思っています。ご予約お待ちしています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=53396
中村大地