小屋入り3日目

映像撮影のために入っていた小屋入りも今日で一度バラし。
一昨日昨日で無事に全シーンの撮影を終え、後は映像の川村さんにお任せするという形になる。

映画は結構それなりに好きで、(偏ってはいるけど)むしろ舞台よりも見たい欲求が大きい、みたいな時もあるくらいだけど、映像の撮影というのは初めての体験だった。

今回映像の撮影で改めてびっくりしたのは、カット割りのことと、そこに流れる時間の差異のこと。
たとえば、2人の会話のシーンを、互いの顔が交互に映るようなものになってるとすれば、カメラマンの存在を隠すためにどちらの目線からも一度ずつ別テイクで撮ったりする。
撮影の時は別々の時間であるものが合わさって観客が見るときはひと続きの時間として提示される。

んなこと当たり前なのだが、僕はそのことになんだかとても感動してしまった。

演劇と映画の時間と空間についてのそもそもの違いみたいなことはそのうち考えてみたい。

あとは演技の質も違う。舞台上での動きとして面白いものも、映像で見るとそうでも無い。
変えが利かない。もう撮影が終わったので、これ以上いい演技を出すことはできない。撮影の現場で一度答えを出さなければならないのは、あまり結論を出したがらない僕にとってはなかなかチャレンジだった。


あるシーンの撮影で壁にぶちあたった時に、舞監の助言をもらって解決することも。澤野さんは演出家だし、出来事への動機付けや理屈付けと言った整理が上手い。(ものは散らかすけど)
だからかアドバイスも的確でとても頼りになる。

音響照明映像舞監、それから今回は美術に専念してる翔子さんも、その力を存分に借りて作品を作れている感覚は今までには無かった感じ(というか、今までよりもはっきりと感じられる)で、とっても頼もしい。
自分もスタッフ出身なので、今までこんなに作品に貢献できていたのか?という自分の働きのことも少しよぎった。

バラシがスムーズに進み、少しすっきりした舞台上で2時間ほど後半の稽古。要素過剰だったことをシンプルに削いでいくことでアタリをつけていく。
今日は組んだトラスをバラして、残り時間で稽古をして、一度小屋からは退散する。
土日はどちらも1日稽古。
大事に取り組みたい。






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