3F『再開』稽古日誌4/17
俳優のみの稽古最終日。
前回までで一通り引継ぎは終わったはずなので、
この日は再度復習のような日になった。
この日の2日前、劇団ミーティングの流れで、
客演の加藤君と松井君も誘って実質的なキックオフ的な感じになった。
事の発端は、今回の公演をどんな形で上演するかという話し合いが
ミーティング中に終わらず、場所を移さなければならなかったので、
せっかくだから、ということで集まった。
ので、結構がっつり話し合いだったし、面白い話も出たり、稽古状況の共有をしたりした。
稽古に関して挙がったのが、
2番目の語りが変化ではなく落ちている可能性があるという事だった。
1ヶ月というブランクの中で、抜け落ちた部分が、修復や補完をされずただ不完全になってしまっている、ということだった。
2人目の語りのニュアンスが弱いと、3人目はただひたすらテキストを憶える作業になってしまい、
テキストを見ていることと変わりがなくなってしまう。
この危機を共有して各々対策を練ってきたからか、この日の稽古は2人目の質が変わっている気がした。
または、この日はビデオカメラで撮影しながらの稽古だったので、その緊張感もあったのかもしれない。
この日の稽古で面白かったのは、
松井君がその2番目の語りの質を上げるために、
カメラに向かって一人で語るという自主練習をしていたそうなのだが、
カメラに向かって練習しても、聞き手がいると全く違うものになってしまうということだった。
今回の作品で何度も出てきている話だが、
「聞き手がいなければ語ることができない」ということに尽きるんだろうなと思った。
2日前のキックオフで、
語ることの必然性という話になった。
必然性のない語りは面白くない。
この話題で私が感じたことは、
その必然性は他者にあるべきなのではないかということだった。
どうして話すのか、ということを自分の中だけで解決してしまうのではなく、
他者の存在を入れ込む方がその動機は強くなるのではと思った。
必然性というよりは、それは関係性かもしれない。
昔語りで面白いのは、
その他者が確実に少なくても二方向にいることだと思う。
話している相手(聞き手)と、その話を聞かせてくれた相手(語り手)。
他者が多く関係していればいるほど、
その話は豊かで充実するのではないだろうか。
昔語りは、その話を聞かせてくれた相手にも、きっと話を聞かせてくれた相手がいて、
さらにその相手がいて…と膨大な数の他者がその話に関係しているから、
だからこんなにも豊かなのかもしれない。
聞き手によって語りが変わってしまうというのも、
人の関係性の間にその話があるから、
聞き手が変わればその話の座標も変わるからなのかもしれない。
そう思うと、「よき語り手であるには、よき聞き手でなければらならい」というのも、
納得できる気がする。
ということで、本稽古が始まります。
実はすでに一回目の本稽古を終えたあとにこのブログを書いているのですが、
早速難題にぶち当たっています。
本稽古はどうだったのかは次回をお楽しみに。
ご予約増えてきています。
各回20名くらいしか入れないので、
ぜひお早めにご予約下さいませ。
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屋根裏ハイツ
第3階演劇公演『再開』
【岩手県西和賀町銀河ホール「雪の演劇祭2016」参加作品】
[日程]
4/27(水) 18:00-
28(木) 14:00-★/18:00
29(金) 14:00-★/18:00
30(土) 14:00-★/18:00
5/1(日) 11:00-/14:00
※受付開始・開場は開演30分前
※★=アフタートークあり
28(木) 長崎由幹(一般社団法人NOOK)
29(金) 小堀陽平(西和賀町地域おこし協力隊)
30(土) 主宰+出演者トーク
[会場]
SARP 仙台アーティストランプレイス
スペースA
(〒980-0012 宮城県仙台市青葉区錦町1-12-7 門脇ビル1F)
[料金]
前売・当日ともに一般 1,500円
ユース(25歳以下)割引 1,200円(要予約)
高校生以下割引 500円(要予約)
リピーター割引 500円
[チケット取扱]
https://www.quartet-online.net/ticket/sankaisaikai/
[出演者]
村岡佳奈(屋根裏ハイツ)
加藤隆(短距離男道ミサイル)
松井歩
[スタッフ]
作・演出 中村大地(屋根裏ハイツ)
演出助手 塚本恵理子(屋根裏ハイツ)
制作 三澤一弥
制作協力 千田優太
宣伝美術・WEB制作 渡邉時生(屋根裏ハイツ)
[お問合せ]
MAIL :yaneura.heights@gmail.com
TEL:090-2976-4839(ミサワ)
HP:http://yaneuraheights.wix.com
Twitter :@Yaneura_Heights