3F『再開』西和賀滞在記録 2/17
2/17 中村、村岡、加藤、松井
記録:加藤
10:00〜17:00
今日も銀河ホールでの稽古。今日は”種の語り手”がいかにバックグラウンドを背負い語れるかということを探るため、”種の語り手”が演出の中村に向かって語る、という形で稽古をした。1人1時間弱ずつ、3人の役者が順番に自分の割り当てられたテキストを中村に語った。
舞台上で語り手と中村が向かい合って座り話を語り、中村は相槌を打ちながらそれを聞く。僕の場合はその話に対してどんな印象を抱いたか、どんなイメージが立ち上がっていたかをお互いに話し合った。そのイメージに対して、少しテキストに変更を加え。次の役者に代わり、その間は自主練の時間、具体的なバックグラウンドを文章で書き起こし、実際に話してみるなどした。
1回目では、目の前にいる中村が相槌を打ちながら聞いている、という状態で話していたのに対し位置が目の前から客席に移り、距離が遠くなったことと、相槌がなくなったこともあり、語りの説明感が増し、バックグラウンドのイメージも立ち上がらなくなってしまった。対象との関係が遠くなったことで、語りにより強度が必要になったのかもしれない。舞台にさらされているため、体もとても気になる。 民話の語り部は民話の話に入るときにスイッチが入ったように口調や表情、姿勢が変わる。彼らは、聞く側が話に引き込まれるような「語る姿勢」をもっているんじゃないだろうか。昨日、鳥の恩返しの話をしてくれた瀬川さんが、話すとき体をぐいっと前のめりにして語り始めとき、とてもワクワクした感じがあった。
次の課題として、語る話を、実際誰から聞いた話をなのかを決めて、その人が語っているかのように、語り部が憑依したように話すということをした。
それで僕は「地元の幼馴染から聞かされた話」という想定をして話をしてみた。僕の地元は福島なので、福島弁で語ってみた。最初は村岡に向かって話し、村岡も東北弁で相槌をうちながら聞いた。これが自分にとってはうまく作用したのか、とても話しやすく、妙な説得力がうまれ、面白みがふえた。しかし、東京出身の中村には何を言っているか聞き取れないという問題が生じた。しかし方言でやってみて話を聞かせてくれた対象をイメージすることで、説得力はますのではないかと思った。
最後に松井が”種の語り”として覚えた話を、”実際の語り手”となる加藤に向かって話した。このとき、文語体で書かれているテキストを、「〜だったらしい」という風に、伝聞調で「誰かから伝え聞いた話」という感じで話していたのだが、伝聞調がかえって説明っぽく聞こえてしまって、このテキストに関しては、口語にしないで、原文のまま読んでもいいんじゃないかという感想がでた。
明日からもこの語りの種の稽古をしていくにあたって、「口調」と「語る姿勢」などは重要なキーワードになってきそう。
稽古が終わった後は風呂美の高野さんと我々で砂風呂に入浴してきた、人生初の砂風呂でウキウキしていてのだが、松井が湯あたりしかけて大変だった。
夕食を終え、21時からベルトルト・ブレヒトの「演劇のため小思考原理」をみんなで読む勉強会を行った。