3F『再開』西和賀滞在記録 2/19

2/19 中村、村岡、加藤、松井
記録:加藤
西和賀滞在5日目



9:00~12:00
 本日は銀河ホールに別の利用が入っていたため、宿泊している鳳鳴館の2Fの座敷を使って稽古をした。
 松井加藤ペア、村岡中村ペアという風に、2人1組にわかれて、相手に話しを聞いてもらい、1時間やったらペアを交代するという形で稽古をした。
 座敷という場所なので話すスタイルもお茶を飲みながら話したり、座布団を重ねて高座のようにしたり、正面で向き合わずにL字になって座ってみたり。
 お互い話してみて、聞いてみた感想、話してみた感想を言い合ってみるといろいろと気づくことがあった。



・話の一番の盛り上がりポイント
聞き手が聞いていて、一番印象に残ったポイントをいうと、語り手にとってもそこが具体的に自分なりのイメージを持って話せている、というケースが多かった。具体的なイメージをもっていればしぐさなどで現さなくても、声色などで自然と聞き手に伝わるということがわかった。逆に言えば語り手が具体的なイメージを持てていない部分は、やはり聞き手にも上手く伝わらない。


・・話の冒頭が入ってきにくい
松井と僕でやっているときに、お互い冒頭が頭に入ってこないという印象をもった。後の方はイメージしやすいが、「最初どんな感じで始まったっけ?」となる。今回のテキストはあえて時代や国などが曖昧に書かれているものが多い、「その時代のイメージと話しの内容を同時に想像しなきゃだから追いつかなくなるのではないか?」と意見がでた。
 民話ではかならず「むかしむかしあるところに」という文句がつく、そういう「曖昧な感じ」を最初に提示することで、聞き手の想像を自由にさせる作用を生んでいるのだ。

・話す姿勢と聞く側の姿勢
中村に対して僕が話をするときに、座布団を重ねて、高いところから話した。その時
話し始めるときにぐっと前のめりになって始めたのが良かったようで、冒頭がよく聞こえてきたそうだ。そのように語り手が、「これから話すぞ」という意思を姿勢などで示すことで、聞き手も聞くモードへの切り替えがうまくいくようだ。
 逆に聞き手の聞き方も重要だ。村岡の話を僕が聞くというときに、まずは日常会話から始め、「○○の話してほしい」という風に語り手に話す動機をつくったことで冒頭から引き込まれるように話すことができた。

共に宿泊している風呂美の高野さんに”語り”を聞いてもらい、緊張する松井




午後からは雪国研究所に行き、小野寺さんという方の話を聞きに行った。
雪国研究所の施設の紹介から、小野寺さんが研究しているかんじきについて、まだ近くで出土する石器の話、師匠である高橋喜平さんとのエピソードを話してくれ。西和賀や沢内村に伝わる民話についての本なども見せてもらった。1を聞いたら100帰ってくるような、知識と好奇心がとても豊富な方で、4時間があっという間にすぎてしまった。


家に帰り菅原ママのマーボ豆腐を食べたあと、菅原ママと晩酌。菅原ママの旅行の話や子供たち、昔の病気の話などを聞かせてもらった。一緒に暮らして5日間、毎晩ごはんを共にしていたが、初めて聞くエピソードがたくさんあるなあと、驚いた。いろいろな体験をしていてもその体験を”語る”にはきっかけが必要なのだ。話を”語る”ときの身体、”聞く”ときの身体についてたくさん気づけた夜だった。












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